はじめに|なぜ「原作」が気になるのか
2026年1月期の月10ドラマ『夫に間違いありません』は、放送開始と同時に大きな注目を集めました。 SNSや検索サイトでは、
- 「原作(元になった漫画や小説)はあるの?」
- 「実話をもとにしたドラマなの?」
といった疑問が数多く見られます。
最近のドラマは、人気漫画や小説を原作にした作品が多いため、視聴者がまず「原作の有無」を気にするのは自然なことです。 この記事では、高校の授業を数回受けたことがある人でも理解できるように、言葉をかみくだきながら、『夫に間違いありません』の原作と実話の関係を順番に説明していきます。
結論|原作の漫画・小説は存在しない
最初に結論をはっきりさせておきます。
『夫に間違いありません』には、元になった漫画や小説はありません。 本作は、脚本家・おかざきさとこさんが一から書き上げた完全オリジナルのドラマです。
そのため、
- 原作漫画を探しても見つからない
- 小説投稿サイト(小説家になろう など)にも元ネタはない
という状況になっています。
それでも「原作がありそう」と感じる人が多いのは、物語の設定がとても現実的で、実際に起こりそうな出来事として描かれているからだと言えるでしょう。
物語のヒントになった実話|2018年 千葉県松戸市の事件
このドラマを理解するうえで重要なのが、2018年に千葉県松戸市で起きた遺体取り違え事件です。 本作は、この事件を直接再現したものではありませんが、物語を考える際の大きなヒント(モチーフ)になったとされています。
実際の事件の流れ(簡潔に)
当時、川で男性の水死体が発見されました。 警察は、所持品や身体的な特徴を調べ、行方不明届が出ていた男性ではないかと判断します。
その後、妻や親族が遺体と対面し、 「本人に間違いありません」 と答えました。
この証言をもとに、遺体は本人のものとして扱われ、火葬されます。 しかし約1年後、亡くなったはずの本人が生きたまま帰宅するという、信じがたい事態が起こりました。
つまりこの事件は、 「家族が別人の遺体を本人だと信じてしまった」 という現実に起きた出来事だったのです。
ドラマと実話の共通点・違い
『夫に間違いありません』は、この実話をそのまま映像化した作品ではありません。 実際の事件を出発点にしつつ、ドラマとしての緊張感や見ごたえを高めるための工夫が加えられています。
| 比較ポイント | 実際の事件 | ドラマ『夫に間違いありません』 |
|---|---|---|
| きっかけ | 川で遺体が見つかる | 夫の失踪後に遺体が見つかる |
| 身元確認 | 家族の証言が中心 | ほくろなど具体的な特徴 |
| その後 | 火葬される | 同様に火葬される |
| 夫の帰還 | 約1年後に帰宅 | 約1年後に突然現れる |
| ドラマ独自の要素 | 捜査の誤りが中心 | 保険金や罪の問題が加わる |
ドラマでは特に、
- すでに保険金を受け取ってしまっていること
- 真実を話せば、家族の生活が壊れてしまうこと
- 嘘を守るために、さらに嘘を重ねてしまうこと
が強調されます。 その結果、物語は単なる事件の再現ではなく、人間の弱さや選択の怖さを描く心理サスペンスへと発展しています。
なぜ「夫に間違いありません」と言ってしまうのか
本作のタイトルにもなっている言葉が、 「夫に間違いありません」です。
遺体を前にして、この言葉を口にすることは、人生を大きく左右する非常に重い判断です。 それでも、なぜ人はそう言い切ってしまうのでしょうか。
①「もう終わらせたい」という心理
家族が行方不明のまま生活することは、精神的に大きな負担になります。 生きているのか、亡くなっているのか分からない状態が続くと、人は強い不安に押しつぶされそうになります。
そんな中で 「遺体が見つかりました」 と告げられると、
- 「これで答えが出た」
- 「もう待ち続けなくていい」
と、無意識に思ってしまうことがあるのです。
②確証バイアス(信じたい情報だけを信じる)
人は不安や悲しみが強いときほど、自分が信じたい情報を優先して受け取ってしまいます。 この心の動きを、心理学では確証バイアスと呼びます。
免許証が見つかった、体の特徴が似ている、といった情報が重なると、 「やはり夫に違いない」 と考えてしまうのです。
類似作品との混同に注意
インターネットで調べると、似たタイトルやテーマを持つ漫画やWeb小説が多く見つかります。
- 『夫の消し方』(漫画)
- 『夫の秘密』(漫画)
- 夫婦の秘密や契約結婚を描いたWeb小説
しかし、これらは**『夫に間違いありません』の原作ではありません。** タイトルや雰囲気が似ているだけで、物語の内容や設定は別物です。
公式ノベライズについて|原作との違い
本作には、**公式ノベライズ(小説版)**が存在します。 そのため、「この小説が原作なのでは?」と誤解されることがあります。
しかし公式ノベライズは、
- ドラマの脚本をもとに
- 放送に合わせて後から書かれた小説
です。
つまり制作の順番は、 ドラマ → 小説 となります。 物語の元になった作品ではなく、ドラマをより深く理解し、楽しむための読み物だと考えるとよいでしょう。
まとめ|原作がないからこそ生まれる緊張感
『夫に間違いありません』は、
- 原作の漫画・小説を持たない完全オリジナル作品
- 実話をヒントにした高い現実感
- 視聴者全員が同じ立場で物語を追える構成
という特徴を持つドラマです。
原作を知っている人が誰もいないため、
- 次に何が起こるのか
- 登場人物はどんな選択をするのか
を、毎週同じ条件で考えることができます。
「あなたが信じたその言葉は、本当に間違いありませんか?」
本作は、この問いを通して、私たちに信じることの重さと怖さを静かに考えさせるドラマなのです。


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